廻るように浮かんでくる愛しい笑顔すぐそこに

やぎゅう夢を描きましたー


おｋ！って方は続きにどうぞ！

名前は『儚い夢』の朔夜ちゃんです！

好き。好き。好き。いくら言葉を並べても
気持ちが大きすぎて、足りないの。
あなたが大好きなの。


＊誰もいない＊


立海の制服を着た生徒が次々と家路につくなか、私は１人
オレンジ色に染まった教室で淡い期待を抱きながら窓の外を見てた。


柳生くん来ないかな…


こんな願いが叶うなんて思ってない。
けど少しくらい期待してみる。

特に約束をしてるワケでもない。
それに、クラスが同じってワケでもない。

だから、柳生くんが来る確率なんて０に等しい。

もしも、柳生くんと２人になれたら、私の気持ちを伝えようと思ってる。

言葉にしてしまえば「好き」なんて簡単に口にできる。
けど、いざ本人に言おうとなると何にも言えなくなっちゃう。
周りに人がいたりしたらもっと何も言えない。

だから２人になれるときがあったらそのとき絶対に言おうって決めてあるの。


色んなことを考えながら、なんとなく過ごしてたら
下校時間を20分くらい過ぎていた。

帰ろう…


席を立って電気を消して薄暗くなった教室を後にした。

長い廊下を歩くと柳生くんのクラスの教室が見えてきた。

柳生くんがいるわけない。
わかっていながらも教室を覗く。
いるわけないのに…。


カタン


私しかいないハズなのに物音がした。
驚いて私の肩はビクっと跳ねた。

「…誰？」

「おぅ、悠月か？」

「あ…仁王くん。」

「どうしたんじゃ？」

「………」

「こんな時間に何しとる？」

「何も…。」


私の目の前には仁王くんがいる。

だけど、なんだかドキドキする。
なんかこの感じ…

「……柳生くん？」


仁王くんは驚いたようだった。
そして銀の髪を取り外し、ポケットに入ったメガネをかけた。



「…何故わかったのですか？」

「う、そ」

「うそって悠月さんが言ったんですよ？
さぁ、答えてください」

「え、と柳生くんの顔だし柳生くんの声だし柳生くんのドキドキだから…？」

「ドキドキ、とは？」

「お話するときとか、ドキドキだから…」

「私と話すのがドキドキなんですか？」

「ん…」

「私だけにドキドキしてくださるのですか？」

「柳生くんだけドキドキだよ…っ」

「それは光栄ですね。実は私も悠月さんにドキドキしていたんですよ。」

「え…？」

「ずっと、私のところに来てくれるのを待ってました。
私は、あなたが好きです。」

「え…えっと、あたしも柳生くんが好き…」

突然起こった出来事に頭がついていかない。
何がおきてるの？

混乱する頭とは裏腹にしっかり柳生くんに答える私。

「そ、そうだったのですか…。」

「あたし、柳生くんが好き…！」

夕日で赤く染まった柳生くんの綺麗な顔がさらに赤く染まってる。
私も顔が熱い。赤くなってるのがわかる。

「ありがとうございます。
私も悠月さんが好きです。」

「…っん」

嬉しくて嬉しくて、涙が溢れた。
柳生くんも私のことを想ってくれてた、そう思うと涙は止まらなかった。



「泣かないでくださいよ。」

「嬉しくてっ…」


泣き続ける私を見て、
柳生くんは優しく微笑んでくれた。

「あたしねっ、柳生くんが…だ、い好きなの…」

「私もあなたが好きです。」

そっと手を握って
優しく、何度も唇を重ねた。



夕日も沈みはじめたくらいのほの暗い空。
誰もいない教室で私と柳生くんは友達以上の関係になった。


好き。好き。好き…

ちっぽけな言葉では
足りないほどの


溢れる愛を


あなたに。


あなただけに…。


END